名優ダニエル・デイ=ルイスが、俳優業から引退することを発表されました。引退についての報道と彼の最後の作品について調べてみました。
ダニエル・デイ・ルイス、突然の引退
英国生まれで、映画史上初の3度のアカデミー賞主演男優賞を授賞した俳優のダニエル・デイ=ルイスが、42 Westの代表、レスリー・ダート女史を通して現地時間20日、俳優業からの引退を公式に発表しました。
米芸能界の専門誌「バラエティ」に宛てた声明では、
「ダニエル・デイ=ルイスは今後、俳優としての活動はしません。
これまで関わってきた共演者の皆様、そして観客の皆様に深く感謝しています。
今回の引退は彼個人による決断であり、今度一切、ダニエル・デイ=ルイス本人、もしくは関係者からコメントすることはありません。」
と述べていますが、引退の理由については触れていません。
ダニエル・デイ=ルイスのプロフィールとおもな主演作品
Top 10 Daniel Day-Lewis Performances
ダニエル・デイ=ルイスの名演技を紹介した動画
*ダニエル・デイ・ルイスのプロフィール
本名:ダニエル・マイケル・ブレイク・デイ=ルイス ( Daniel Michael Blake Day-Lewis )
生年月日:1957年4月29日
出身地:イングランド、ロンドン
身長:187cm
*生い立ち
父親は、桂冠詩人のセシル・デイ=ルイス(ニコラス・ブレイクの名義でミステリー作家としても知られる)
ニコラス・ブレイクの代表作 「野獣死すべし」 ニコラス・ブレイク著
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母親は、バルト三国からの出自を持つユダヤ系の女優ジル・バルコン。
母方の祖父は、映画プロデューサーで、イーリング・スタジオ代表のマイケル・バルコン。
姉は、ドキュメンタリー映画監督のタマシン・デイ=ルイス。
*略歴
オールド・ヴィック演劇学校で演技を学び、13歳のとき映画「日曜日は別れの時」(1971年)で映画デビュー。
その後は、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーなどの舞台で活躍する。
1982年、25歳の時に再び映画界に戻り、「マイ・ビューティフル・ランドレット」(1985年)、「眺めのいい部屋」(1986年)と連続出演し、ニューヨーク映画批評家協会賞助演男優賞を授賞し注目される。
「存在の耐えられない軽さ」(1988年)でアメリカ映画に進出。
1989年公開の映画「マイ・レフトフット」でアカデミー賞主演男優賞を初授賞。
「マイ・レフトフット」でアカデミー賞主演男優賞を初めて授賞した際のスピーチ
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「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」で2回目のアカデミー賞主演男優賞を授賞した際のスピーチ
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「リンカーン」で3回目のアカデミー賞主演男優賞を授賞した際のスピーチ
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*私生活
1998年、イタリア・フィレンツェのイタリア最高峰の靴職人とも称される故ステファノ・ベーメルのサン・フィレディアーノ工房で10ヶ月間靴作りの修行に励み、現在では十分な生計を立てられるまでに靴作りをマスターしている。
ステファン・ベーメルは、2012年7月28日、48歳で死去。
*おもな出演作品
1985年
「マイ・ビューティフル・ランドレット」( My Beautiful Laundrette )
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1985年イギリス映画
監督:スティーヴン・フリアーズ
出演:ゴードン・ウォーネック(オマル)
ダニエル・デイ=ルイス(ジョニー)
【作品情報】
南ロンドンを舞台に、パキスタンとイギリスの二人の青年の交流を描く。主人公とやがてホモ・セクシャルな関係になる幼馴染の青年役をダニエル・デイ・ルイスが演じています。
1986年
「眺めのいい部屋」( A Room with a View )
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1986年イギリス映画
監督:ジェームズ・アイヴォリー
出演:マギー・スミス(シャーロット・バートレット)
ヘレナ・ボナム=カーター(ルーシー・ハニーチャーチ)
ジュリアン・サンズ(ジョージ・エマソン)
ダニエル・デイ=ルイス(シシル・ヴァイス)
【作品情報】
E・M・フォレスターの同名小説の映画化した恋愛ドラマ。イギリス名家の令嬢が、フィレンツェへの旅行で出会った男性と恋に落ち成長していくストーリー。ダニエル・デイ=ルイスは、主人公のルーシーと婚約するインテリ青年貴族を演じています。
小説「眺めのいい部屋」 E・M・フォレスター著
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1988年
「存在の耐えられない軽さ」( The Unbearable Lightness of Being )
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1988年アメリカ映画
監督:フィリップ・カウフマン
出演:ダニエル・デイ=ルイス(トマシュ)
ジュリエット・ビノシュ(テレーザ)
レナ・オリン(サビーナ)
【作品解説】
冷戦下のチェコスロバキアで1968年に起きた変革運動「プラハの春」を題材にしたミラン・クンデラの同名小説の映画化。ダニエル・デイ=ルイスは、プレイボーイの医者を演じています。
小説「存在の耐えられない軽さ」 ミラン・クンデラ著
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「イングリッシュマンinニューヨーク」( Stars and Bars )
1988年アメリカ映画
監督:パット・オコナー
主題歌:スティング「Englishman in New York」
出演:ダニエル・デイ=ルイス(ヘンダーソン・ドーレス)ハリー・ディーン・スタントン(ルーミス・ゲイジ)
ジョーン・キューザック(アイリーン)
【作品解説】
ニューヨークの美術商に就職したイギリスの名門大学卒の青年が、アメリカ南部の田舎町で騒動に巻き込まれるコメディ映画。日本未公開作品。
1989年
「エバースマイル、ニュージャージー」( Eversmile, New Jersey )
1989年アルゼンチン=イギリス合作監督:カルロス・ソリン
出演:ダニエル・デイ=ルイス(ファーガス・オコーネル)
ミルハーナ・ヤコヴィック(エステラ)
【作品解説】
町から町へバイクで巡回する歯医者の姿をコミカルなタッチで描くロードムービー。虫歯撲滅に燃える巡回歯科医をダニエル・デイ=ルイスがコミカルに演じています。
「マイ・レフトフット」( My Left Foot: The Story of Christy Brown )
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1989年アイルランド・イギリス合作
監督:ジム・シェリダン
出演:ダニエル・デイ=ルイス(クリスティ・ブラウン)
ブレンダー・フリッカー(ブリジット・ブラウン)
フィオナ・ショウ(アイリーン・コール)
【作品解説】
生まれながら重度の脳性小児麻痺で左足しか動かせないアイルランド人画家クリスティ・ブラウンの半生を描く実話ドラマ。撮影期間中、左足だけを使い車椅子の生活を続けたダニエル・デイ=ルイスの演技が凄まじい。アカデミー賞主演男優賞を受賞。
小説「マイ・レフトフット」 クリスティ・ブラウン著
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1992年
「ラスト・オブ・モヒカン」( The Last of the Mohicans )
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1992年アメリカ映画
監督:マイケル・マン
出演:ダニエル・デイ=ルイス(ホークアイ)
マデリーン・ストウ(コーラ)
ジョディ・メイ(アリス)
【作品解説】
1825年に発表されたジェームズ・フェニモア・クーパーの小説「モヒカン族の最後」の最新映画版。18世紀、建国前夜のアメリカ東部を舞台にモヒカン族に育てられた白人青年とイギリス人大佐令嬢の恋愛をダイナミックかつドラマチックに作り上げたアクション・ロマンの快作。ダニエル・デイ=ルイスの長髪をなびかせ森のなかを疾走するシーンなど活動的なキャラクターを演じる姿がかっこいい。
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1993年
「エイジ・オブ・イノセンス/汚れなき情事」( The Age of Innocence )
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1993年アメリカ映画
監督:マーティン・スコセッシ
出演:ダニエル・デイ=ルイス(ニューランド・アーチャー)
ミシェル・ファイファー(エレン・オレンスカ)
ウィノナ・ライダー(メイ・ウエランド)
【作品解説】
19世紀後半のニューヨークの社交界を舞台に繰り広げられる貴族階級からはみ出た伯爵夫人と、幼馴染みの弁護士との許されぬ恋に心を燃やす恋愛映画。女性で初めてピューリッツァー賞を受賞したイーディス・ウォートンの同名小説の映画化。
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「父の祈りを」( In The Name of The Father )
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1993年イギリス映画
監督:ジム・シェリダン
出演:ダニエル・デイ=ルイス(ジェリー・コンロン)
ピート・ポスルスウェイト(ジュゼッペ・コンロン)
ギャレス・ピアース(エマ・トンプソン)
【作品解説】
1974年にIRA暫定派によって実行されたロンドンの爆破テロ事件の冤罪で逮捕されたアイルランド人ジェリー・コンロンの回想記「Proved Innocent」を「マイ・レフトフット」の監督ジム・シェリダンと主演ダニエル・デイ=ルイスのコンビで映画化した社会派ヒューマンドラマ。英国の司法界史上最大の汚点とされるこの爆破テロ事件で主人公のジェリー・コンロンと父親ジュゼッペは逮捕され、有罪の判決を受けて、ふたりは同じ刑務所に投獄されてしまう。父親ジュゼッペは一縷の望みを託して、再審を訴え続け市民団体に手紙を送り続けるのだが・・・
1996年
「クルーシブル」( The Crucible )
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1996年アメリカ映画
監督:ニコラス・ハイトナー
出演:ダニエル・デイ=ルイス(ジョン・プロクター)
ウィノナ・ライダー(アビゲイル・ウィリアムズ)
ジョアン・アレン(エリザベス・プロクター)
【作品解説】
17世紀末、マサチューセッツ州セイラムで実際に起きたセイラム魔女裁判を描いた重厚な人間ドラマ。赤狩りと言われた50年代アメリカの反共産主義への批判として書かれた劇作家アーサー・ミラーの戯曲「坩堝」を彼自身の手で脚色し再映画化。
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1997年
「ボクサー」( The Boxer )
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1997年アメリカ・アイルランド合作
監督:ジム・シェリダン
主演:ダニエル・デイ=ルイス(ダニー・フリン)
エミリー・ワトソン(マギー)
【作品解説】
「マイ・レフトフット」、「父の祈りを」でコンビを組んだ監督ジム・シェリダンと主演ダニエル・デイ=ルイスの第3作目となるラブロマンス作品。IRAの元テロリスト、ダニーは14年の刑期を終えて出所した。彼の元恋人マギーと再会するが、彼女はダニーの親友と結婚し、一人息子を育てながら服役中の夫を待つ身になっていた。かつてボクサーとして有望視しされたダニーは、ボクシングで再起を図る。
2002年
「ギャング・オブ・ニューヨーク」( Gangs of New York )
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2002年アメリカ映画
監督:マーティン・スコセッシ
出演:レオナルド・ディカプリオ(アムステルダム・ヴァロン)
キャメロン・ディアス(ジェニー・エヴァディーン)
ダニエル・デイ=ルイス(ビル・”ザ・ブッチャー”・カッティング)
【作品解説】
名匠マーティン・スコセッシ監督が、ハーバート・アズベリーの「ギャング・オブ・ニューヨーク」(1928年刊行)に感銘を受け、巨額の制作費を投じて19世紀半ばの激動のニューヨークに生きる人々の壮絶な生きざまを描いた愛と復讐の一大叙事詩。
2007年
「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」( There Will Be Blood )
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2007年アメリカ映画
監督:ポール・トーマス・アンダーソン
出演:ダニエル・デイ=ルイス(ダニエル・プレインビュー)
ポール・ダノ(ポール・サンデー/イーライ・サンデー)
ケヴィン・J・オコナー(ヘンリー)
【作品解説】
社会派作家アプトン・シンクレアが1927年に発表した「石油!」をポール・トーマス・アンダーソン監督がダニエル・デイ=ルイスを主演に迎え、石油を掘り当てアメリカンドリームを体現した男の欲望と裏切りの人生を骨太に描いた大河ドラマ。ダニエル・デイ=ルイスはこの作品で2度目のアカデミー賞主演男優賞を受賞。
2009年
「NINE」( Nine )
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2009年アメリカ映画
監督:ロブ・マーシャル
出演:ダニエル・デイ=ルイス(グイド)
マリオン・コティヤール(ルイザ)
ペネロペ・クルス(カルラ)
【作品解説】
イタリアの巨匠フェデリコ・フェリーニ監督の自伝的名画「8 1/2」を基にし、トニー賞を受賞した大ヒットブロードウェイ・ミュージカルを「シカゴ」のロブ・マーシャルが豪華な俳優陣を起用し映画化。
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2012年
「リンカーン」( Lincoln )
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2012年アメリカ映画
監督:スティーヴン・スピルバーグ
出演:ダニエル・デイ=ルイス(エイブラハム・リンカーン)
サリー・フィールド(メアリー・トッド・リンカーン)
デヴィッド・ストラザーン(ウィリアム・スワード)
【作品解説】
巨匠スティーヴン・スピルバーグが、奴隷解放に尽力しアメリカ史上最も愛された大統領エイブラハム・リンカーンをドリス・カーンズ・グッドウィンの伝記本『リンカン』を基にリンカーンの最後の4ヶ月を描く伝記ドラマ。ダニエル・デイ=ルイスは本作の出演の条件として1年間の準備期間を提示し受諾。本作の演技で史上初3度目のアカデミー賞主演男優賞に輝く。
ダニエル・デイ=ルイス最後の主演作「ファントム・スレッド」
ダニエル・デイ=ルイス最後の主演作「ファントム・スレッド」が、2017年12月25日に全米公開されます。
「ファントム・スレッド」の撮影風景動画
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「ファントム・スレッド」のワンシーン
出典:http://oohlo.com/2017/02/01/what-is-phantom-thread-hint-it-involves-daniel-day-lewis-and-paul-thomas-anderson/
【作品解説】
世界三大映画祭の監督賞を制覇した鬼才ポール・トーマス・アンダーソンが、名優ダニエル・デイ=ルイスを主演に迎え2度目のタッグを組む。1950年代のロンドンを舞台に完璧主義の仕立て屋と若いウェイトレスとの予測不能の展開をエレガントかつ繊細に描き出してゆく究極の恋愛映画。
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*スタッフ
監督:ポール・トーマス・アンダーソン
脚本:ポール・トーマス・アンダーソン
音楽:ジョニー・グリーンウッド
編集:ディラン・ティチェナー
*キャスト
ダニエル・デイ=ルイス(レイノルズ・ウッドコック)
ヴィッキー・クリープス(アルマ・エルソン)
レスリー・マンヴィル(シリル・ウッドコック)
ブライアン・グリーソン(ロバート・ハーディ)
記事作成日:2017/07/02
最終更新日:2021/04/27